「勤」と「難」

国語講師がよく目にする漢字の間違いを
保護者の皆様と共有するためのシリーズです!〈テスト〉

今回は「勤」と「難」

受験生は似ている部分の形を覚えきれていないようで、書きまちがいが本当に多いです!

圧倒的に多いまちがいとは……?

実際に漢字を見てみましょう。

それは左にあるよく似たパーツを混同することなのです。

赤い部分が非常に似ていることがおわかりいただけますでしょうか?

解決策は?

そもそもこの間違いは「漢字の成り立ちを意識すること」で解決するものなのです!

「勤」も「難」も「形成文字」です。

意味を表す部分音を表す部分とで構成されます。

意味を表す部分は「意符」と呼ばれるのですが、「勤」の部首は「力を入れてする動作・働き、努めるなど」を表す「力部」となっており、そのまま「勤」の持つ本来の意味を示します。

勤:旧字は、形声。力と、音符堇キンとから成る。つとめはげむ意を表す。

『新字源』 改訂新版 KADOKAWA​

「難」の部首は「おもに、小鳥の種類・状態など」を表す「隹(ふるとり)部」となっており、元々は「鳥の名前」を示していました。そして、この字は「なやむ」「かたい」を表す「艱」に通じ、「かたい」「むずかしい」などの意味を示すようになったようです。

難:形声。意符鳥(とり)と、音符堇とから成り、鳥の名を表す。艱(カン)に通じ、借りて「かたい」意に用いる。旧字は、意符が隹に変わったもの、教育用漢字は、さらにその省略形による。

『新字源』 改訂新版 KADOKAWA​

しかし、受験生がミスをしてしまうのはこの部分ではなく、
音を表す部分である「音符」でのミスが多発しているのです。

「勤」と「難」は元を正せば「堇(キン)」という共通の音符を持っていました。しかし、「難」は字形が変化して現在の形にいたりました。「難」はある種の例外なんですね。

では、どう記憶に落とし込むのがいいのか。それは……

「難」は例外的にできた文字なので書くのが「むずかしい」方であると覚えると間違いは劇的に「減少」します!

無理矢理な提案に聞こえるかも知れませんが、記憶は何かのとっかかりさえあれば容易に頭に刻み込まれます。要は覚えられれば良いのです!

とかく今回もまた「形成文字」のおかげで覚えやすくなりました。

漢字の成り立ちを意識できれば二度と間違えません!

漢字は日々の積み重ね!

ただただ書いて覚えるのではなく、「漢字そのものが持つ意味」
意識して学習していきましょう!

今後も受験生がやりがちなミスをご紹介していきます!お楽しみに!

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